春、四国旅行
Text: アベトンボ
2001年3月5日(1日目)
3)玉藻城
高松駅は目下改装工事の最中で、駅舎は仮の建物だった。駅の横では、辺り一帯の再開発工事が行われており、何だか工事現場の中に駅がある感じだった。
とりあえず、私は駅を出ると、まずは早速最初の訪問スポットである玉藻城跡に向かうことにした。駅前にある地図を見ると、何とかここから歩いて行けそうだ。
潮風が吹く高松市街を歩くこと20分ほどで玉藻城の横に来た。入り口の門を見ると、半分扉がしまっていたので、私は一瞬今日は入れない日なのかと疑ってしまったが、よく見ると受付におばあさんがいた。入場料¥150也。
玉藻城すなわち高松城は天正16年(1588年)、豊臣秀吉の家臣・生駒親正による築城以後、生駒家4代54年、松平家11代228年の約300年の間、歴代藩主の居城として繁栄した。高松城は当時の築城の権威者であった黒田如水の設計であり、大分県の中津城、愛媛県の今治城とともに日本有数の水城と言われている。北側が瀬戸内海に面しており、堀にはその海水が引き入れられているのが特徴である。築城当時は外堀・中堀・内堀を有し、66万平方メートルという広大な城域に20を数える櫓が立ち並んでいたが、明治初期に中堀の一部と外堀が埋め立てられ、9分の1の規模に縮小されてしまった。天守閣も失われてしまったので、現在はその城跡を整備して玉藻公園となっている。
とりあえず入園してみる。中は思ったよりも広々としている。平日でまだ本格的な観光シーズンにはなっていないこともあってか、ほとんど人の姿が見えない。まぁ、わざと観光シーズン前に来たのだから、このような空き様であるのは予想通りでもある。おかげでゆっくりと観光できそうだ。入口からまずは天守閣跡に向かう。入口の門から右に曲がると、堀を渡る橋が現れた。
これが内堀を渡って、唯一天守閣跡につながる橋である梢橋である。その姿は屋根付きでなかなか優美ではないか。梢橋の上から堀を見ると、カモやアヒルなどの水鳥達がのんびりと泳いでいる。そして堀のすぐ西側には高松琴平電鉄の高松築港駅があり、電車が出入りする様子が眺められた。
それにしても、何とものんびりとしている。普段自分があわただしい大都会に住んでいるためだろうか、それとも潮風が穏やかに吹いてくるからだろうか、園内を歩いているだけで私は何だか眠たくなってきてしまった。けれど、まだ寝るわけにはいかない。(笑)私は天守閣跡まで行ってみた。天守閣跡は、今はお社となっており、その鳥居の横では紅や白の梅が今が盛りと咲き誇っていて、何だか得した気分になってしまった。
園内を一端入口まで戻って、今度は内苑御庭に行ってみる。こちらは松を中心とした枯山水の庭園で、見ているだけで「風流じゃのぉ。」という気分になった。(謎)
玉藻城(公園)は、優雅な中にも水城特有の爽やかな雰囲気があり、個人的にはおすすめのスポットだ。
4)栗林公園
高松の観光スポットと言えば、ほとんどの人がまず栗林公園を挙げるだろう。栗林公園は高松の中心街の南、紫雲山の麓にある広大な日本庭園である。私は普段庭園など全く興味を示さないくせに、今日は「観光客」になりきって訪問してみることにした。
玉藻城を出たあと、高松築港駅から高松琴平電鉄(通称:コトデン)に乗る。たまたま乗った電車の車両は、以前京浜急行で使われていた車両だったので、何だか旅先で旧友と偶然に出会ってしまったような気がした。電車は市内をのんびりと走り、市内の中心地である瓦町を通る。瓦町駅はコトデンの3路線が集まるターミナル駅であり、駅の上はデパートの「そごう」になっている。夕食をとるなら瓦町の周辺がいいかなと私は目星をつけておいた。栗林公園の後はここに寄ってみよう。
電車は瓦町を出て市内を南下。JRの線路をくぐってしばらく行くと栗林公園駅だ。ここで電車を降りる。時刻は午後2時近くなっていた。
さすがに空腹になってきたので、栗林公園に寄る前に昼食をとることにした。栗林公園までの道には飲食店らしい店はなく、栗林公園の横に何軒かある土産店には大きく「うどん」と書いてあった。観光地には1階が土産店、2階が飲食店というケースが多い(だいたいこういう店は少し高いのだが)が、ここの店もその典型的なパターンであった。私は、少し高くつくかもしれないが、いい加減腹もへってきたので、この店にでも入るかと思った瞬間、突然後ろから「チョット、ソコノアナタ〜」と声をかけられた。私は何だと思い、後ろを振り向くと、自転車に乗ったブレザー&メガネ姿の白人少年(高校生くらい?)が立っていた。そして何やら勝手に自分一人で色々と話し始めたと思ったら、そいつは宗教の勧誘だった。私はあっさり「僕、ここの者じゃないし、今は忙しいんで。(本当は腹がへっているだけ)」と言ったら、「ソーデスカ…」と肩を落として、また自転車に乗って走っていってしまった。まさか旅先にまで来て宗教の勧誘をされるとは思わなかった…。
今度はすかさずその土産店からおばさんが出てきて、「お兄ちゃん、ちょっと寄ってって〜。」と忙しい。私は2階のうどん屋に行きたかったのでとりあえず店にはいると、おばさんは何と2階のうどん屋は今日(月曜日)は定休日と言う。外から見ると営業中のようなのだからややこしい。おばさんは、これまた土産店の典型的なパターンで、お茶とお菓子を出してきて、「まぁまぁ、かわりにお菓子を出しますから、色々と土産を見ていってくださいな。」と言ってきた。まだ観光シーズンではないし、私以外に観光客らしい人もあたりにはいないので、よほど退屈だったのだろう。おばさんは店に並べられている土産の説明をしながら、世間話などを延々としてきた。人がいい(?)私も別に急いでいるわけでもないので、その話につきあい、最後はバイト先の仲間への土産として「瓦せんべい」まで買っていった。旅の初日で土産を買ってしまった…まぁ、いいか。
昼食はその土産店の横にファミリーレストランの「ジョナサン」があったのでそこですませた。初々しい(?)高校生バイトがなかなかいい味を出していた。(爆)
そして栗林公園には結局、予定よりかなり遅れた時刻になってから入園した。入園料¥400也。玉藻公園よりちょっと高めだが、広いし、維持費もかかりそうなので妥当な線だろう。(この先もっと入場料が高いところが次々と現れるのだが…)庭園自体はゆっくりと見て回っても2時間あれば十分だろう。園内にはなぜか特産品売り場や民芸館が中心部にあるのが気にかかったが、なるほど素晴らしくよく手入れされた庭園だと感じた。それに園の裏手にある紫雲山が園全体をひきたてているところが良かった。その他、園内には掬月亭・日暮亭など茶室がいくつもあり、歩き回って疲れたらそこで落ち着くこともできるので脚に自信がない人でも楽しめる庭園だと思う。
|