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春、四国旅行


Text: アベトンボ



2001年3月5日(1日目)


5)何はともあれ讃岐うどん


 さて、栗林公園を閉園直前に出ると、日も低くなってきた。そろそろ夕食のことを考えないといけない。昼食は、普通のファミレスだったので、夕食こそうどんを食べたい。瓦町が中心街であるが、飲食店ならJR高松駅周辺にも集まっているかもしれない。迷うところでもあるので、とりあえず栗林公園のすぐ北側にあるJR栗林公園北口駅に行ってみた。駅といっても、この駅は高架線に片面ホームがあるだけの無人駅であり、時刻表を見てみると、次の列車まではまだかなり時間があった。ここで列車を待っていても意味がないので、瓦町の方に移動することにした。すぐ横の中央通りのバス停から路線バスに乗り、瓦町駅まで移動した。先ほどの予想通り、この辺りが高松の中心繁華街みたいである。JR高松駅やコトデンの高松築港駅は、もともと本州との連絡船から乗り継ぐために作られたような駅なので、市の中心から離れていることがよく分かる。コトデン瓦町駅の上にある「そごう」の飲食店街に行ってみたが、それらしいうどん屋はなかったので、また行き先を考え直す。あまり使いたくはない手だったが、私は持ってきたガイドブックに掲載されている有名なうどん屋に行ってみることにした。これなら店を探し出すという面白みにはかけるが、必ずおいしいものにはありつけるはずだ。それに今日は早朝に家を出てきて、見知らぬ街を歩き回ったこともあって、さすがに疲れてきている。早く夕食をとってゆっくりとしたいと言うのが本音だ。

 私はコトデンで一駅築港よりの片原町駅で降り、「三越」の横の商店街にある有名なうどん屋に行った。まだ日が暮れてまもなかったので、店はまだ空いていた。ただ、夜に宴会が予約されているようで調理場はあたふたとしていた。私はとりあえず一番安い「かまあげうどん」を注文した。私は浅学にして(と言うか、関東人はどうしてもうどんよりもそばの方に馴染み深いので、うどんのことには意外に無知なのだ。)「かまあげうどん」がどんなものなのか全く分からなかったので、語感からして「かきあげうどん」のようなものなのだろうと想像していたら、出てきたのは桶のような容器に入ったうどんだった。具は薬味のみで、要は温かいつけうどんだった。私はちょっと拍子抜けしてしまったが、食べてみて考えをすぐに改めた。麺だけで十分うまいのだ。麺がいつも食べているものに比べてずっとコシがあるし、スルスルと喉を通っていく感じがする。見た目も、白くて透き通っている。これが本場の讃岐うどんというものか!と私は単純に感動し、ついでにいなり寿司も食した。いなり寿司の形は当然三角形なのだが、普段四角のいなり寿司ばかり見ている目には新鮮だった。私は大満足で店を出た。(土産にうどんを買っても良かったが、今日の予算を超えてしまいそうなのでやめた。)



図1: 高松略図(ものすごくいい加減な地図です。)

 夕食後は今日の宿泊先である香川厚生年金会館にたどり着くまでである。地図を見ると、店から何とか歩いて行けそうな距離なので、歩いていくことにした。厚生年金会館は玉藻公園の東の海岸沿いにあり、 うどん屋からそこまでの途中の海岸沿いの一角に隔離されたようにラブホテル街があるのが印象的だった。本州の宇野から連絡船に乗って、高松市内に夜間近づいていったとき、まず最初に目に飛び込んでくるのはラブホテル街に違いないはずである。人によっては海に浮かぶ竜宮城に見えるかもしれない?

 今回の旅は宿毛のビジネスホテル以外は全てネット上で予約しているので、厚生年金会館のチェックインは非常にスムーズで気持ちよかった。チェックインの際、フロント係から会館内にあるレストランでのドリンク一杯無料券をもらった。それは部屋に入って落ち着いてから使うことにして、私は何よりもまず部屋に入った。思ったよりもずっときれいな部屋で、これが素泊まり5000円台とはとても思えない。いい意味で期待を裏切られた。私は荷物をおろすと、そのまましばらく眠りこけてしまった。よっぽど疲れていたに違いない。

 しばらくして目を覚ますと、とっくに館内のレストランの営業時間は終わってしまっていた。せっかくもらったドリンク無料券を無駄にしてしまった…。私は特に何をするでもなく、テレビをつけて月9ドラマ「HERO」を見た後、夜食を買い出しに近くのコンビニに行って、部屋に戻りそいつを食べた。さすがにうどん一杯だけでは満腹にはなれなかったのである。その後は、ユニットバスに入り今日一日の汗を流した後、今度こそ本当に眠りについた。こうして「初めての」一人旅初日は無難に終わったのである。

ちなみに部屋でテレビを見ているとき、ローカル番組で「幻のうどんを求めて」という番組をやっていたのが今日一番印象に残ったことだった。(爆)