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初秋の東北てっちゃん旅


2002年9月5日〜9月9日

Text:アベトンボ


 9月の上旬に休みが出来たので、発売終了間近の青春18きっぷを購入し、2002年12月1日の東北新幹線八戸延長もまもなくの東北地方をひとり訪れてみることにした。


第1章 出発


 2002年9月5日、昼前の上野駅。

 上野駅地上ホームは常磐線特急用のホームを除いては人影も少なく、幾編成かの列車がのんびりと停車していた。
今回の旅のトップバッターとなる列車は、上野11:05発の東北本線下り普通列車宇都宮行き565Mである。私はホームのキヨスクでとりあえずペットボトル入りのドリンクと漫画雑誌を買い込み、列車に乗り込んだ。発車までまだ15分ほどあるせいか、ホームにもまして列車の中はガラ空きだった。私は、ボックスシートの1区画を1人で占拠したのは言うまでもない。

 漫画雑誌を読みふけるうちに出発時刻となり、565Mはおごそかに上野駅を発った。ターミナル駅特有の複雑なポイントをゴトゴトとひととおり渡り終えて屋外に出ると列車はようやく速度を上げた。

今日はこの東北本線をひたすら北上し仙台のユースホステルに宿泊する予定である。今回の旅のメインテーマの1つはこの東北本線を青森まで乗りとおすことである。鉄道草創期、日本鉄道という当時の大私鉄によって開業した現在の東北本線は東京と東北地方、あるいは青函連絡船を介して北海道を結ぶ大動脈の役割を今まで担ってきた。確かに、現在は鉄道には新幹線があり、長距離旅客輸送では航空機が圧倒的なシェアを持っているが、全線通じて貨物列車がひっきりなしに走る様子はまさに日本の物流の大動脈であると言うにふさわしいだろう。

 このような東北本線であるが、この冬この重要幹線は大転換を迎えるのである。
 言うまでもない、12月1日の東北新幹線の盛岡〜八戸間の開業である。新幹線の盛岡〜八戸間が開業すると同時に、その区間と並行する在来線の東北本線盛岡〜八戸間はJRから経営分離され、盛岡〜目時間は岩手県が中心となる第3セクター鉄道「IGR岩手銀河鉄道」となり、目時〜八戸間は青森県が中心となる第3セクター鉄道「青い森鉄道」となるのである。線路そのものは複線電化のまま残るが、昼間の特急列車「はつかり」号や夜行寝台特急「はくつる」などは廃止されることになる。そして、昼間の優等列車が消えることへの代償ではないと思うが、普通列車は全線を通して幾らか増発されることになっている。

 また、この幹線のもう1つの主役である貨物列車は、第3セクター化後、当初は盛岡〜八戸間を走らなくなると言われていたが、それはあまりにも非現実的な案なので結局JR時代と同じように、この区間を走行することになった。
ともあれ、国内輸送のいわば背骨の部分を、一地方が運営する第3セクターに任せるという方針は何となく腑に落ちない気がする。

 そのようなわけで今回、「JR東北本線」盛岡〜八戸間にさよならを言うつもりもあって東北本線を乗りとおすことにしたのだが、全線乗りとおすという夢(?)は2日目にして早くも散ることになる…。

 565Mは上野を出てしばらくは山手線や京浜東北線などの通勤電車と肩を並べるようにして走る。田端機関区を横に見て、新しくなった赤羽駅付近の高架線を通り抜ければ、荒川の橋梁に突入する。荒川を越えれば、埼玉県。それでもまたしばらくは京浜東北線と肩を並べて走る。やがて前方に新しい高層ビル群が近づいてくると、さいたま新都心である。首都機能の一部移転ということで、少々の官公庁がこの新都心に移されているらしいのだが、現状を見る限り巨大な空き箱が何個もあるという感じである。(埼玉にお住まいの人、ごめんなさい。)そのさいたま新都心を過ぎれば、まもなく埼玉県の経済的な中心である大宮に到着する。


第2章 餃子で至福のひととき


 大宮駅はJR東北新幹線・上越新幹線・東北本線・高崎線・京浜東北線・埼京線・川越線・東武野田線・埼玉新都市交通が集結する大ターミナルであり、埼玉県だけにとどまらない首都圏北部の鉄道網の中枢といえる駅である。ホームにも上野駅以上に人がいるような気がした。その割には、565Mにはあまり人が乗ってこなかった。何でだろう?


(未完)